こんなのアリ?!ノルウェーから来たオケが凄まじかった件。

こんにちは、明日梨(@s2azurin)です。

2年前に取り組んだ卒業研究をきっかけとしてオーケストラのマネジメントに興味関心を持つようになり、今に至る私ですが、

ある日SNSで流れてきたこんな動画を見て驚愕しました。

オーケストラ×動画配信といえばベルリンフィルのデジタルコンサートホールなどが有名ですが、こんなにインパクトがあって体を張っているオーケストラのPVを見たのは初めてです。

新進気鋭の国営のオーケストラ

こちらのオーケストラは、ノルウェー・アークティック・フィルハーモニー

2009年に創設されたとても若いオーケストラですが、国家の文化発展を目的として莫大な国家予算がつぎ込まれ、今やノルウェーが世界に発信する自信のオーケストラであるとのこと。

日本に限らず、世界的にオーケストラの経営難が言われている中で創設に踏み切ったノルウェーという国はすごいし、すでにあるようなオーケストラを増やすのではなく、「世界最北のオーケストラ」と銘打ち個性を最大限に活かし、かつかなりのクオリティであることから、マネジメント側の “本気” を感じます。

 

この動画、どうやって撮影してるのでしょう…極寒の中、楽器に触れるだけで指が凍ってしまいそうなのに、とってもいい表情をしている楽員さんたち。

チャイ4のBGMもぴったりですね。最初のシンバルはずるい。笑

 

そんな気になるオーケストラの来日ツアー、福岡にもやって来ました!

このチラシがまた印象的。

普通、オーケストラのチラシに写っている奏者の集合写真は演奏中か直立不動かというのばっかりですが(正直見飽きました…)、このチラシに写っている奏者たちのこの表情!笑

演奏会当日が待ち遠しくて、わくわくしながら会場へ向かいました。

開演前から気になるところが

会場の外は、いつもと変わらないアクロスの様子。

入口でチケットをもぎってもらうと、こんな素敵な看板が出迎えてくれました。

いいなあ…。思わず溜息。

アイデアが面白いし、クオリティも高い!

女の人のバイオリンから音の波が放たれているよう。

 

それから、ロビーに見慣れない貼り紙が。

曲目変更とかではなく…追加のお知らせ???

しかも知らない作曲家。

まあ1曲多く聴けてお得かな?と思うことに。
(演奏時間が伸びて困る人とかいるかもしれないけど、「何卒ご了承ください」って良くないことみたいに書かなくても…笑)

 

ホールに入って開演を待っていると、10分前頃からぞろぞろと奏者が入場して音出しを始めました!

日本のオケでも、開演前にステージで練習している奏者はよくいますが…まだ10分前なのに?ほぼ全員???
(一アマオケ奏者として、舞台裏の待ち時間が嫌いなので羨ましいです。笑)

影アナが始まっても誰も楽器を下ろそうとしないので、初めはアナウンスの声が全然聞こえませんでした笑

いよいよ開演!

時間になると、銀のシャツを着た指揮者が入場し、指揮台に立って礼をすると、そのまま振り返ってすぐ、流れるように演奏が始まりました。早い。

 

1曲目はオーレ・オルセン / アースガルズの騎行 Op.10

プログラムノートに「グリーグより一世代若いノルウェーの作曲家で、(中略)演奏会で取り上げられる事はきわめて稀」と書かれているように、Youtubeで検索しても出てこない!

良い曲だったからまた聴きたいと思ったのだけれど…

途中のピッコロとファゴットのsoliが特に印象的で楽しかったなあ。

 

2曲目は、追加されたラッセ・トーレセン / 触れられざるものへの賛美歌

もはやGoogle検索でもほとんど出てこない…笑
どうやらまだ生きている作曲家らしい(1949-)。

フルートとピアノのための作品集〜名前の海という、トーレセンによるCDの情報を発見しました。

グリーグに影響を受けた、ノルウェーの現代作曲家といったところでしょうか。

演奏が始まると、なにやらオーケストラでは聴いたことのないような音がしてきました。
聞くところによると、palo de lluvia(レインスティック)という楽器が使われていたらしいです。

舞台上で未知の世界が広がっていて、次に何が起こるかわからない緊張感に会場が包まれていました。

プログラムと別でいいから曲目の解説文を配ってほしかった…!

 

前半3曲目はグリーグ / ピアノ協奏曲イ短調 Op.16

これは有名な曲ですね。私もピアノ連弾で1楽章を弾いたことがあるので懐かしいです。

どなたかわかりませんが、1楽章の終わりにブラボーと叫ぶ声が聞こえてびっくりした…。笑

ソリストのアンコールと合わせて、素晴らしい演奏だったのですが、1曲目と2曲目の方がインパクトが大きかったので、いつの間にか普通の演奏会に来たみたいだなと思いました。笑

 

ここで20分間の休憩。

ロビーの奥でノルウェー絵画展が同時開催されていました。

本気のチャイ4

後半はチャイコフスキー / 交響曲第4番 Op.36

ノルウェー縛りから離れ、同じく寒い地域であるロシアの名曲。
まあチャイ4は演奏される機会も多いですし、最近では5月にN響で聴きました。

が、聴き慣れているはずなのに、最初から最後までとても引き込まれる素晴らしい演奏でした。

 

私の好みで言うと、チャイコフスキーの交響曲は5番>6番>4番だったのですが、今回改めて、4番も良い曲だなあと。

冒頭のファンファーレがホルン→トロンボーン→トランペットと受け渡されていくところや、
ところどころで木管の短いフレーズが各パートから1本ずつ聴こえてくるところ、
3楽章の弦楽器の高弦→低弦、また低弦→高弦に音が流れていくところなどなど、
オーケストレーションが素晴らしいですよね。

3楽章までの緊張感からの、弾けるような4楽章のtuttiがまた良い。

今回、弦楽器が10型とは思えない迫力でした。指揮者の熱気もすごかった…!

 

チャイ4と言えば(個人的には)やはりピッコロに注目してしまうのですが、3・4楽章かっこよかった〜!

盛りだくさんすぎるアンコール

大きな拍手に包まれる中、ノルウェーとの友好がどうのこうのと言って、カーテンコールの途中に空気を読まず花束登場&アナウンスが。笑

指揮者のリンドバーグはとても個性的で、演奏中の指揮の様子だけでなく、入退場の動きが軽快で面白かったのですが、にこやかに花束を受け取り、舞台袖にはけて戻ってくるとすぐにアンコールの演奏が始まりました。

 

北欧、スウェーデンのステンハンマル / カンタータ「歌」より間奏曲

初めて聴いた曲ですが、とっても素敵な曲でした。。。

重厚な弦楽器からの金管の豊かな響き、最後は静かに余韻を残して終わったかと思ったら、アンコール2曲目へ。

 

こちらは聴いたことのある、グリーグ /  ペールギュントより山の魔王の宮殿にて

ダブルアンコールでなんてサービス旺盛な演奏会なんだ…と思っていたら!

なんとリンドバーグがトロンボーンを持って舞台袖から登場し、アンコール3曲目に突入。

 

演奏したのはモンティ / チャルダッシュ

トロンボーンの名手としても知られるリンドバーグのソロとそれについてくるオーケストラ、
テンポを大きく揺らしたり、長いロングトーンで聴衆を笑いに誘ったり、
突然ホルン奏者が前に出てリンドバーグが日本語でツッコミを入れたと思ったら、
演奏を再開してホルンのベルをミュートのように使うなど、
観客の心をがっちり掴んで離しませんでした。

客席が明るくなっても鳴り止まない拍手。スタンディングオベーションも。

いや〜私も興奮しましたね。すごい現場に居合わせたな、と思いました。

楽しかった〜!!!

今回の演奏会、

プログラム3曲+追加1曲+ソリストアンコール1曲+後半アンコール3

合計8曲?!

終演したのは21時半頃。こんなにお腹いっぱいな演奏会はなかなかないですね。

おわりに

ノルウェーからやってきて、数公演の来日ツアーだからこそできたことかもしれませんが、きっとこの人たちはホームでも素晴らしい演奏、というかもはやパフォーマンスを披露しているのが予想されます。

いつか本場で聴いてみたい。

ちなみに、前半と後半でコンマスが違っていたり、
チェロのトップがタブレット譜を使っていたり、
指揮者が黒の正装ではなくテカテカのシャツを着ていたり、
普通のオケではありえないようなことが他にもいろいろと起こっていました。

私の気づいていないところでまだあるかもしれません。

海外のオケが良いとか、いや日本のオケを聴くべきとか、そういう声が聞こえることもありますが、敵対心みたいなのを持つのではなく、他のオケから積極的に盗めるものを盗みつつ、それぞれのオケの個性がもっと輝くようになったらいいなと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です